ランクブレイン (RankBrain)は人工知能による新しいアルゴリズム
グーグルのシニア・サーチ・サイエンティストである”グレッグ・コラード (Greg Corrado)”氏が、「ランクブレイン」という人工知能をベースにしたアルゴリズムを数ヶ月前から導入していることを、Bloomberg(ニュースチャンネル)のインタビューの中で発表しました。
まずは、このランクブレインが一体何なのか、現時点で判明しているところまで説明していきます。
ランクブレインとは?
ランクブレインは、人工知能「Artificial Intelligence」システムをベースとしたアルゴリズムの一部で、主な役割としては「言語の解釈」をつかさどる機能になります。コラード氏によれば、「過去数カ月の間で、1秒間に数百万もの検索クエリが行われているが、この大部分の検索クエリが、ランクブレインによって解釈されてきた」と明らかにしました。
「ランクブレイン」の人工知能
ランクブレインが、人工知能(通称AI)であることは先ほど触れましたが、まずはAIが何なのか簡単に説明いたします。AIは、人工学習プログラムの一種で、人間の脳が行う学習作業を、コンピューターでその学習作業を模範したソフトやプログラムのことを言います。ようするにランクブレインは、グーグル(Alphabet)が開発したAIシステムで、その学習対象となっているものが、検索クエリ(検索エンジンにて使用する検索キーワード)になります。学習方法としては、膨大な検索クエリの履歴を、コンピューター言語に変化してデーターベースに保存し、検索に使用されたキーワードやフレーズのパターン、関連ワード、時系列や季題トピックスなどを学習していきます。
「ランクブレイン」の役割
それではランクブレインの役割とは何なのか?それは、AIによる学習機能で得た膨大な検索クエリのデーターを使い、ユーザーが使用した検索キーワードから、何の情報を求めているかを推測することです。通常の人間同士の会話であれば、質問者が何を言っているか分からない時、その相手に説明を求めればいいだけですが、検索エンジンが相手ではそうはいきません。話し言葉と書き言葉の違いに加えて、検索ボックスに入力するのは、長い文章ではなくフレーズや短い文を用いて検索を行います。したがって、検索者が検索エンジンに対して適した検索クエリを行わないと、求めている情報を引き出すことが難しくなります。そこでランクブレインの活躍が期待されています。検索者側ではなく、検索エンジン側が検索者の意図を理解し解釈することが、この機能の役割になります。
「ランクブレイン」と「ナレッジグラフ」の違い
ランクブレインは、グーグルのナレッジグラフとはどう違うのか?という方もいるとは思いますので追って説明いたします。
ナレッジグラフは、検索ワードを単なる文字列としてではなく、物事として捉えて検索を行うもので、検索ワードから検索者の意図を予測して行う「セマンティック検索」です。例えば”ムンバイ”と検索した場合、同じ文字でも「インド最大の都市」と「都内のインドカレー屋」などと2通り以上の解釈を行うことができ、それに加えて「都市のタイムゾーン」や「店舗住所」の関連情報の表示を可能にした知識のデータベースになります。
ちなみに、日本のグーグル検索エンジン(google.co.jp)にて”内閣総理大臣”と検索してみたところ、これまでの歴代内閣総理大臣の検索結果が上位に出てきました。しかし、アメリカ(google.com)の場合は、現在の総理大臣である”安倍晋三”氏が上位表示されます。これは、日本人で現在の内閣総理大臣の名前を知らない人は少なく、この検索クエリに対して「歴代の総理大臣達の名前を探している」と判断し、アメリカ人の場合では「現在の内閣総理大臣の名前を知りたがっている」と判断したからです。
ランクブレインも同じくデータベースになりますが、ナレッジグラフとの大きな違いは、人工知能ベースであるところにあります。検索クエリのセマンティック検索だけではなく、検索者の検索パターンやセカンドクエリ(一番目のクエリで意図した情報が出なく、検索ワードを変えて2回目のクエリを行ったもの)なども学習することで、「あいまいな検索」や「履歴の無い検索」からでも、断片的な情報を組わせたり連想することで、データーベースと参照しながら、どのような情報を知りたいのかをAIシステムによって推測し、最適と思われる検索結果を表示することが、ランクブレインの主な役割になります。つまりは、アルゴリズムでは判別できない初めてなされた検索クエリに対して、何を知りたいのかを推測する機能です。
ランクブレインの重要性と対応
それでは最後に、ランクブレインの重要性と影響を及ぼすかもしれないSEO対策について説明します。コラード氏によると、
ランクブレインは、数百あるアルゴリズムの要素の一つです。ランクブレインが展開されてから数ヶ月経ち、検索クエリーの結果に貢献する3番目に重要な要素になりました。
若干紛らわしい表現ですが、ランクブレインは決してSEO要因そのものではなく、検索クエリに対して「ユーザーが何を求めているかを推測するために」働く機能であり、これがアルゴリズムに含まれているという事です。つまり、ランクブレインは、ランキング順位に対して働くアルゴリズムの前の段階となり、ウェブマスターが特別に何らかのSEO対策を施す必要はないということです。ちなみに現在のランクブレインは、検索全体の15%に及ぶらしく、毎日それだけのアルゴリズムが判断できない検索クエリがあることを示唆しています。
以上が現時点で分かっている「ランクブレイン」の説明になります。
グーグルは、AIシステムの大スポンサー企業のひとつで、特にビデオ、スピーチ、翻訳、そして検索のフィールドに莫大な投資を行っているらしく、今後より一層人工知能による様々なシステム改良が進んでいきそうな予感がします。
ランクブレインについて、さらに詳しい情報が入りましたら、ブログにてご案内いたします。
[…] イン」にはどのように対処したら良いのか?そもそもランクブレインとは一体何なのか? […]
[…] 参照記事SEO Japan「Googleの新しいアルゴリズム、RankBrainの全容。」最新SEOニュース配信のDマーケティング「ランクブレインを導入。グーグルの新アルゴリズムは人工知能」 […]
[…] りは、アルゴリズムでは判別できない初めてなされた検索クエリに対して、何を知りたいのかを推測する 機能です。 [紹介元] 「ランクブレイン」を導入。新アルゴリズムは人工知能 […]
[…] り、最も関連のある結果を表示させるということです。システムのロジックやテクノロジーは分かりませんが、恐らくGoogleのRankBrainの仕組みと類似しているのではないかと考えられます。 […]