アナリティクスにコンバージョンを予想する「スマートゴール」導入

Googleアナリティクスがトラッキングコードを使用しない「スマートゴール」にてコンバージョンを予測

グーグルは、AdWords広告のコンバージョンを予想する「スマートゴール」を、アナリティクスに導入したと発表しました。これにより、AdWords広告用にトラッキングコードを埋め込んでデータ集計していなくても、「スマートゴール」にて、ある程度のコンバージョンを予測することが可能になりました。

コンバージョンを予測する「スマートゴール」とは

スマートゴールとは、グーグルが人工知能のAIを使ったコンバージョン(お申込みやお問い合わせなどのゴールへの転換率)を予測するシステムで、AdWords広告のパフォーマンス詳細を把握しきれていない広告主のために開発されました。通常であれば、アナリティクスのトラッキングコードの埋め込み目標やトランザクションのインポートを使用すれば、AdWords広告のROI(投資収益率)を知ることができますが、サイト(ビジネス)のゴールによりトラッキング出来なかったり(例えば電話によるお問い合わせ)、時間が無かったり、またはトラッキングコードの埋め込み方法が分からない事が理由で、広告のパフォーマンスを知ることが出来ない広告主の為に「スマートゴール」が導入されました。

どのように「スマートゴール」がコンバージョンを予測するか?

アナリティクスの「スマートゴール」は、ウェブサイトを閲覧しているユーザーの様々なシグナルを検査し、最もコンバージョンに繋がり易いと思わられる訪問を導き出して定義していきます。このAIは、既に数千ものウェブサイトからユーザーのアクティビティーを集計していて、その内コンバージョンに繋がったユーザーを学習したことで、どのような訪問がコンバージョンに繋がり易いかを予測することが出来るようになりました。グーグルが明らかにしている検査対象のシグナルは、「セッション時間の長さ」、「閲覧ページ数」、「ロケーション」、「アクセス端末」、そして「ブラウザー」になりますが、その他複数のシグナルもチェックしていると思われます。

スマートゴールは、このAIが学習したデータと対象サイトのデータを参照しながら、最もコンバージョンに繋がり易い約トップ5%の訪問の値を定義することで、その定義と同等又は超える値を持った訪問を、コンバージョンとしてカウントする仕組みになっています。元々、AdWords広告のパフォーマンスを予測するために作られただろう「スマートゴール」は、AdWords広告からのアクセスだけではなく、全ての訪問(セッション)に対して作動するようになっています。嬉しいことに、この「スマートゴール」で検査されたデータは、AdWordsにインポートできるようになっています。

「スマートゴール」の使用方法

「スマートゴール」を使用するにあたって、以下の条件が成されている事が必須になります。

「スマートゴール」の設定方法

メニューの「アナリティクス設定」から対象のアカウントを選び、ビュー下部の「目標」をクリックして、「+新しい目標」ボタンをクリックします。そうすると写真下のように「スマートゴール」が表示されます。(このビューでは、先に挙げた条件のひとつである「アドワーズ広告のクリック数が1000以上」ではないため、文字がグレーになって選択できないようになっています。)スマートゴールを選択し、名前を付けて保存します。

「スマートゴール」のインポート方法

アドワーズの最適化を行うにあたって、スマートゴールで集計したデータを抽出して、インポートする必要があります。スマートゴールをアドワーズにインポートする手順は以下のようになります。

「スマートゴール」でアドワーズ広告を最適化

スマートゴールでのアドワーズ広告の最適化は、コンバージョン単価制(CPA)にすることをグーグルは勧めています。まずはスマートゴールが十分なデータを集計するために数週間ほど待ちます。十分なデータを集計したところで、CPAの単価を設定するために、スマートゴールの達成数を用いて、発生した広告費の合計数を割ります。例えば、3週間分の広告費が300,000円掛かかり、その間に達成とみなされたゴール数が100だとします。そうすると、300,000円 ÷ 100回 = 3,000円になるので、CPAを3,000円に設定することが出来ます。

ざっくりとした最適化にはなってしまいますが、事前のトラッキングコードの埋め込みや設定する時間が無くても、この「スマートゴール」なら誰でも簡単にコンバージョンを予測してくれるので、広告のトラッキング等をしていない広告主には便利なツールだと思います。

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